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重症筋無力症とは?

日本神経学会認定 神経内科専門医・指導医

診断:重症筋無力症診断基準案2013
重症筋無力症の治療ガイドライン2014

重症筋無力症の疫学
 ・罹患率:人口10万人あたり10人前後.
 ・近年は50歳以上の高齢で発症する患者さんが増えております.
 ・瞼が下がる,飲み込みにくいなどの症状のため,初期診断が難しい疾患です.
 ・近年では高齢発症の患者さんが増加しております.


重症筋無力症の症状
 ・眼筋型:物が二重に見える,瞼がさがるなど,眼の症状のみ.
 ・全身型:眼の症状に加え,飲み込みにくい,手足に力が入らないなどの症状.
 ・疲労により増悪するのが特徴で,朝より夕方に悪化する傾向があります.
 ・時に,自発呼吸が障害され,人工呼吸が必要な場合もあります.


重症筋無力症の原因
 ・運動神経から分泌されるアセチルコリンが筋肉の収縮には必要です.
 ・しかし,アセチルコリン受容体が自己抗体によりブロックされてしまいます.
 ・そのため,力を入れても筋肉がうまく収縮することができない疾患です.

重症筋無力症の診断
 ・テンシロンテスト,神経伝導検査によるwaning現象,アイスパックテスト.
 ・抗アセチルコリン受容体抗体:血液検査で診断.最も多い原因となる自己抗体.
 ・抗MuSK抗体:血液検査で診断.顔や喉の症状に主に関与.
 ・胸腺腫:胸部造影CTで診断.胸腺摘出術の適応.

 ・ELT分類:Early(50歳未満発症)・Late(50歳以上発症)・Thymoma(胸腺腫).

重症筋無力症の急性期治療
 ・スロイドパルス療法:メチルプレドニゾロンを3日間大量に点滴します.
 ・血液浄化療法:血液中の自己抗体などを除去します.
 ・大量免疫グロブリン療法:血液浄化療法と同等の効果と言われています.
 ・胸腺摘出術:一般的に胸腺腫を合併している場合に適応になります.
 ・症状が増悪したときには,積極的に急性期治療は行われます.


重症筋無力症の再発予防療法
 ・ステロイド:プレドニゾロンなど.
 ・免疫抑制剤:プログラフ,ネオーラルなど.
 ・以前は大量投与が基本でしたが,現在は初期から少量維持療法が主体です.
 ・抗コリンエステラーゼ阻害薬:症状を一時的に改善する薬です(対症療法).


重症筋無力症の予後・経過
 ・完全に治癒することは困難なことが多い疾患です.
 ・そのため,長期にわたりステロイドや免疫抑制剤の内服が必要です.
 ・長期間の治療に伴う薬の副作用を減らすことも重要です.
 ・軽度の眼瞼下垂の場合は,対象療法のみで経過を見える場合もあります.


 (注1:血液浄化療法,免疫グロブリン療法などは,入院の上治療を行っております.
     施行可能施設:広島赤十字・原爆病院,広島大学病院,広島市民病院など)

 (注2:重症筋無力症は,難病医療費助成制度の対象です.)